こんにちは、久々登場の不動産エージェントをしているボスサラ妻です。
コロナが落ち着き始め人と会う機会もだんだんと増えてきたためか、最近知人から家賃の値上がりについてよく相談を受けるようになってきました。
もうすぐ賃貸の契約更新だけど、どうしよう?
アパート契約更新するときに大家さんから○○ドルも値上げを要求された…これって普通?
今回は、そんな疑問にお答えするためにボストンでの家賃の上昇について、そして賃貸更新時のポイントをお話ししたいと思います。
家賃は毎年上がるのが原則
まずはボストンの賃貸システムのお話から。
初めてボストンに来るという方にとっては驚きかもしれませんが、ボストンでは契約更新時には家賃が上がるのが原則です。
日本では更新時には据え置きや値引きということもあるのかもしれませんが、ボストンではまずありえません。
家賃の上昇率に関しては通常インフレ率相当程度上がるので、複数年間ボストンで賃貸予定の方はゆくゆくの値上がりも見越して家賃を設定したうえでお部屋探しを行ってください。
「インフレ率相当」とは言いましたが、これはあくまで目安です。
更新後の家賃金額を決めるのは大家となりますので、大家が適切と考えればインフレ率以上の値上がりの可能性もあります。
現在のところ、マサチューセッツ州では賃貸更新時の家賃の上昇率に制限はない
そうなんです、残念ではありますが、現時点ではマサチューセッツ州においては賃貸更新時の家賃の上昇率を制限する法律はありません。
家賃は大家が決めるものなので、大家が適切と考えれば家賃はどこまででも上昇します。
ちなみに、家賃だけでなく、更新するかどうかを大家が決めることもあります。借り手がいくら更新をしたくても、大家が更新に合意しなければ更新はできません。
これについても法律による規制はないので、更新できなければ退去するしかありません。
昨年、一昨年はコロナウイルスの影響で家賃相場が劇的に下がっていましたが、その反動で今年は家賃が劇的に上がっています。
この記事によると、部屋の種類にもよりますが、中央値で約20―25%も更新時の家賃が上昇したというデータになっています。特にKendall/MIT付近は27.6%と飛び抜けて高いですね。
例えば、今年あなたが家賃3000ドルの部屋を借りていたとしましょう。
大家から「来年から家賃が3600ドルになります」と言われたたどうでしょう?
「え、、、600ドルも値上がり?!」ってびっくりしますよね。
ほとんどの人は日本円で7〜8万円以上の値上がりが1年で起こるなんて考えたくないはずです。でもそれが今、ボストンで起こっている現実なのです。
この値上がりにはいくつかの理由があります。
一つ目の理由として、今年は賃貸の供給が例年に比べて圧倒的に少ないのです。
パンデミックが落ち着いてきたため、ビザや入国の規制がなくなりアメリカ国外から人が来やすくなりました。私の肌感覚でも、去年、一昨年に比べて日本からボストンに来る人が圧倒的に増えています。
ボストンは大学が多い土地柄、パンデミック中リモートラーニングが主流になった時期には学生が一気にいなくなってしまったのですが、今では対面の授業に戻り学生たちも戻ってきています。
二つ目の理由として、コロナウイルスの影響で例年より大家の収入が下がってしまったのでそれを取り戻したいということから強気の価格設定にしていることもあります。
大家によってはコロナウイルスの影響で、長期間税金と共益費を払い続けながらも、空き部屋を抱えて家賃収入を絶たれることになった人も多くいました。
その人たちにとって、今年はようやくやってきたチャンスなのです。
まずは交渉を!
とはいえ、私はまずは交渉をしてみてください、とよくお伝えしています。
もちろんビジネスライクな大家はいかに値上げが適切であるかを説明してくるかもしれませんが、実は大家にとっては実は更新してもらえないことはリスクにもなりえます。
あなたが更新をしなければすぐに次の借り手を探さなければならず、借り手が決まるまでは将来の家賃が確定しないというストレスがかかります。
また、申込者があっても審査をしたり、新たな契約書類を作ったり、と手間がかかるのです。
さらに、次の借り手があなたより良心的な借り手かどうかは実際に契約が始まるまではわかりません。次の借り手が契約違反や家賃の滞納をしない保証はないのです。
あなたがこれまでに大家に対して無理な要求をせず、キチンと家賃を支払い続けてきたのであれば、大家はあなたのことを優良な借り手で、内心は手放したくないかもしれません。
日本では当然のルールである「家賃をキチンと決められた期限に払う」を守らない人もいるのがアメリカなのです。
将来を見据えて大家と信頼関係を構築する
上記の「大家に対して無理な要求をせず」という部分について、一つ補足をさせてください。
ボストンの大家はビジネスライクな方も多いです。日本の感覚でいうと当然修理すべきという家の不備でも、大家にとっては生活に必要な修理ではない、と考えられることもあります。
この部分ですれ違いが度重なると、大家にとっては要求の多い借り手という印象になり、最終的に更新を希望しても受け付けられなかったという例をこれまでに見てきました。
この点については注意をして、大家との良好な関係を築くよう心掛けておくことは重要です。
決して大家に迎合すべきということではありません。もちろん生活をするうえで必要なことについては大家に修理を依頼しましょう。借り手が生活に支障をきたすような不備は大家に早急に対応してもらうべきです。
最後に
いかがでしょうか?
ボストンで賃貸更新時に高い家賃金額をつきつけられてしまった方の参考になれば幸いです。
それでは良い週末を。