世界6大マラソン大会を完走!Six Star Finisherの称号を得たので報告します【〜制覇までの道のり〜】

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こんにちは、市民ランナーのボスサラです。

前回のボストンマラソンから約半年が経ちました(以前の記事(世界最古のマラソン大会、ボストンマラソンを走ってきました!)を参考)。今回、さらにトレーニングを続けて第51回ニューヨークシティマラソンを完走してきました。

実はボスサラ、これでアボット・ワールドマラソンメジャーズ(AbbottWMM)の世界6大マラソン大会(ベルリン、シカゴ、東京、ロンドン、ボストン、ニューヨーク)を全て走ったことになります。

実は完走したランナーにはSix Star Finisherの称号が得られ、アボット・ワールドマラソンメジャーズから特別な完走証とメダルがもらえるのです!

この世界6大マラソン大会を全て完走しているランナーはとても少なく、2022年10月時点、全世界で8,067人、そのうち日本人(日本国籍)は319人しかいないそうです。

あまりにも人数が少ないため、

どうやってSix Star Finisherになったのか?

それぞれのマラソンのエントリー枠をどのように確保したのか?

など、日本語での情報があまりありません。

そこで今回は私が世界6大マラソン大会を制覇するまでの道のりを一挙公開、各マラソンをいつ走ったのか、どのようにエントリー枠を確保したのかの体験談をまとめました。

ちなみに世界6大マラソン大会自体に関しては色々情報があるのでウィキペディアなどを参考にしてみてください。

ベルリンマラソン

2017年9月に完走し、抽選で選ばれて参加しました。

ベルリンマラソン公式サイトから応募できます。

ベルリンマラソンに限らず大きなマラソン大会では、一般的に以下の枠から参加することが可能です。

①抽選枠

②基準タイムを満たしたランナー枠

③旅行会社の枠

④チャリティー枠

まず、①抽選枠に関してですが、同じ年に私の知り合いで抽選に応募していた人のうち、半分程度は同じく抽選で走ることができていたのでそこまで倍率は高くないと思われます。

毎年エントリーをしていればそのうち当たるのではないでしょうか。

ただし、私は2016年、2017年の合計2回抽選枠でエントリーしましたが、2016年には抽選が当たらなかったので、統計的なデータはありませんがそれなりに運は必要かと思われます。

また、②基準タイムを満たしたランナー枠(“Fast Runners”枠)として44歳以下の男性なら2時間45分、44歳以下の女性なら3時間以内でどこかのマラソンを走っていれば参加資格が得られます。ただし、ここまで速い人はそうそういないのでこの枠で走るのは難しそうです…。

さらに、③旅行会社の枠として、お金を払いツアーに参加することでエントリーの枠を確保することもできます。

ある特定の旅行会社はホテルと飛行機そしてマラソンを走る出場権を合わせてセット販売しているのでそれらの会社のサイトから申し込むだけで完了です。

例えば旅行会社のHISは“エントリー保証”がパッケージとして付いてくるベルリンマラソンツアーを販売しています。旅行代金が30〜40万円くらいかかるのでお金に余裕がある方はサクッとこの方法で走るのも良いかもしれません。

「そんな金払えるかいっ!」という方は抽選が当たるのをひたすら待つか、めっちゃ速く走れるようになりましょう。笑

最後に、④チャリティー枠として、ベルリンマラソン公式参加団体に所属して一定額をファンドレイズすればレースの出場が保証されるというシステムがあります。ただし、私は詳しくないのでここでは割愛。

ともあれ、ベルリンマラソンを含めてこれら4つの方法が一般的なエントリー枠獲得方法になります。(例外あり)

私にとってはこのベルリンマラソンが6大マラソン大会の最初のレースで、とても興奮していたのを覚えています。

フラットな高速コースとして知られていてタイムが出やすいのが特徴ですが、当日はあいにく雨のコンディションでそこまで記録はよくありませんでした。

当時はまだマラソン経験も浅く雨の対策なども知りませんでしたがランナー仲間に勧められてキャップをしていってとても助かりました。キャップは暑い日にかぶるだけでなく雨対策としても有効だと実体験でき、それ以降常にキャップをして大会に参加しています。

当時は男子マラソン世界記録保持者のキプチョゲ選手が優勝しましたが、なんと偶然にもその夜の打ち上げの帰りにたまたまキプチョゲ選手とバッタリ会ったんです!

写真を撮ってもらえないかとお願いすると、取り巻きのボディガードの人がダメだという態度でしたが、彼は笑顔で引き受けてくれてツーショットまで撮ってくれました。世界記録を持つような選手にも関わらずとてもフレンドリーで素晴らしい方でした。

シカゴマラソン

2018年10月に完走し、抽選で選ばれて参加しました。

シカゴマラソン公式サイトから応募できます。

ベルリンマラソンに参加してから6大マラソン大会制覇を目指そうかと考え、軽い気持ちで抽選枠をエントリーすると一発で当選。

このシカゴマラソンが6大マラソン大会の中で1番簡単に参加が可能だと思います。6大マラソン大会制覇はここからスタートしてもいいかもしれません。

エントリーの抽選倍率は通常約50%程度と高確率で当たるともいわれていて、例えば2015年のデータですが64%のシカゴマラソン参加者は抽選でエントリーしているそうです。

またシカゴマラソンの資格タイムは他のメジャーマラソンと比較すると容易なのでしっかりとトレーニングして基準タイムを満たせばエントリーが保証された枠で参加が可能です。例えば40代男性であれば3時間20分、40代女性であれば3時間50分となっています(以下のテーブルを参照)。

他にも旅行会社のツアー枠、チャリティー枠などでももちろん参加可能です。

シカゴマラソンのコースはべルリンマラソン同様、フラットで高速コースとして知られています。ただし、私は練習不足で記録が出ず…。なんとかサブ4を維持できました。

東京マラソン

2019年3月に完走し、チャリティー枠で参加しました。

東京マラソン公式サイトから応募できます。

東京マラソンの抽選枠エントリーは倍率が高いことが知られており、かなりの強運でないと走ることができません。

私もボストンから何度か一般エントリーしましたが、案の定当選しませんでした…。そこで確実に走ることができるチャリティー枠でのエントリーにしました。

チャリティー枠でのエントリーは最低10万円の寄付金があれば可能です。これを高いか安いか判断するのは個々人の判断ですが、他のメジャーマラソンと比較すると破格に安い金額であることは間違いありません。

例えば、後述するニューヨークシティマラソンやボストンマラソンではチャリティー枠で参加する場合、最低それぞれ3000ドル(1ドル=150円とすると、45万円)、5000ドル(1ドル=150円とすると、75万円)もファンドレイジングしなければいけないのです。

「6大マラソン大会を制覇する!」と決めていつのであればチャリティー枠でサクッと走っておきましょう。

日本なので家族や友人が応援に来てもらえるのが東京マラソンのいいところ。

私が走った2019年の当日は雨が降りとても寒く、男子マラソン日本記録保持者である大迫選手ですら棄権をしたというくらい最悪のコンディションでした…。しかし、日本の知り合いもたくさん応援に来てくれて最後まで走り抜くことができ、とても満足のいく大会でした。

ロンドンマラソン

 2021年4月に完走し、抽選で選ばれて参加しました。

ロンドンマラソン公式サイトから応募できます。

正直、このロンドンを走るのが一番難しいと思います。

一般抽選枠はあるのですが、私の周りで当たった人を知らないので相当倍率が高いことが想像されます。

一方、マラソン参加者のほとんどはチャリティー枠からで、最低2500ポンド(1ポンド=170円とすると42万5000円)のファンドレイジングをしなければいけません。これは上記で説明した東京マラソンの10万円と比較するとかなり高額です。

また、“Good For Age entry“という、いわゆる参加資格タイムはあるのですが、イギリス在住者しか登録できないようになっています。

他の選択肢としてはやはりお金がかかりますが旅行会社のツアーに参加すること。ロンドンマラソン公式サイトに世界中でどの旅行会社が枠を持っているかが公開されています。

例えば日本からはJTBが唯一ロンドンマラソンの“エントリー保証“付きパッケージを販売しています。ただし、お値段47万円…。ホテルや飛行機代などが含まれているとはいえ、かなり高級なマラソン大会となってしまいます。

アメリカの旅行会社に頼んでも、やはり日本円で30万円以上はします。やはり高額なので私は諦めて抽選枠を出し続けていました。

当然、抽選枠には落ち続けていたので、いつかお金を貯めて旅行会社に頼むしかないのか…と考えていたら2020年にパンデミックが起こりマラソンどころではなくなりました。

渡航規制の影響で応募者が減ったのかわかりませんが、パンデミック中に出していた一般抽選枠がなんと当選、2021年のロンドンマラソンに走れることとなったのです!(さっき周りで当たった人がいないと書きましたが、まさか自分が当たるとはビックリしましたw)

当時はまだコロナウイルス対策が厳しく、ウイルスの陰性証明を持って渡航が必要などとても面倒な作業が必要でしたが、これを逃すと一生ロンドンマラソンの抽選には当たらないと思い参加しました。

タイムは気にせず淡々と走って完走し、観光する暇もあまりなくとんぼ返りで終了したのが残念でしたが、ロンドンマラソンが走れて満足でした。

ボストンマラソン

2022年4月に完走し、ボストンマラソン資格タイム(BQ)をクリアして参加しました。

ボストンマラソン公式サイトから応募できます。

詳しくは以前の記事(世界最古のマラソン大会、ボストンマラソンを走ってきました!)を参考にしてください。

ボストンマラソンだけは他のマラソンと違い、抽選枠がありません。

旅行会社のツアー枠やチャリティー枠はありますが、やはり一度はBQを満たして正面突破でボストンマラソンに参加してみたいですよね。

ここでは、私がBQを得るまでのマラソンのトレーニングについて追記します。

参考までに、私はごく普通の成人で陸上経験など一切ありません。そんな私でもしっかりとした情報を得て、きちんとトレーニングをすればBQ(3時間10分以内のマラソン完走)を満たすことは可能でした。

まず、いろいろ調べた中でもとても参考になったのがこのAdvanced Marathoningという本。

1984年及び1988年のオリンピックにマラソンを走ったアメリカ人選手Pete Pfitzinger氏の著書になります。

ランニングのタイプの説明から食事、体幹トレーニングなどランナーにとって必要な情報を体系的に学ぶことができるのでとてもおすすめの本です。

特に最後のページにある具体的なトレーニング計画がとても参考になります。

自分のレベルに応じて、どの日に、どの程度の距離と強度で練習をするかが細かく書かれていて、私はこれに沿ってトレーニングをすることでマラソンのタイムが徐々に速くなってくるのが体感できました。

そして最重要アイテムがランニングシューズ。

ランニングをするなら必ずシューズはいいものを買いましょう。

トレーニングとレース用の最低2種類のシューズが必要です。

私はトレーニング用にAsicsのGel-Nimbusというシューズをよく使っています。クッション性があり、ジョギングなどに重宝しています。

レース用にはNikeのAir Zoom Alphafly Next%、もしくはZoomX Vaporfly Next%を使い出してから、マラソンが圧倒的に速くなりました。

特徴としてNike独自のフォームとカーボンファイバー製プレートが入って反発力に優れているため速く走れるようになっています。

値段が他のランニングシューズと比較して高めになっていますが、使用すると走るスピードが速くなっているのがすぐに体感できます。

最近は同じようなカーボンプレートが入ったシューズがさまざまなブランドから出ているのでそれらを使ってもいいかもしれません。

最後にトレーニング後の体のケアも重要です。

ランニングを始めた当初は「ただ走ってればいいんでしょ?マッサージとか関係ないだろ…」って思っていましたが、大間違いでした。

走る前、走った後にセルフケアに加えてストレッチをすることで故障する頻度が確実に減ります。

私はTriggerPoint Grid Foam Rollerというアイテムを使い脚の筋肉を定期的にほぐしています。

フォームローラーだけでは使いにくいので、通常ヨガマットの上でセルフケアをしています。

ボストンマラソンを走るのであれば、まずはこれらを試しながらBQに向けてトレーニングをしてみてはいかがでしょうか?

ニューヨークシティマラソン

 2022年11月に完走、アボット・ワールドマラソンメジャーズから連絡があり特別枠で参加しました。

アボット・ワールドマラソンメジャーズの特別枠については時間があれば次回の記事で解説します。

ニューヨークシティマラソン公式サイトから応募できます。

あの大都市ニューヨークの交通を規制して約5万人が一斉に走るこのマラソンは圧巻です。

参加方法はいろいろあります。

まず1つ目の方法は、基本の抽選枠。

予想できますがニューヨークシティマラソンはやはりとても人気があり、その当選確率は9%程度だそうです。

単純計算すると10年に1回は抽選で参加できるという計算ですね…。走りたい方はとりあえず毎年抽選に出しておきましょう。

2つ目の方法は、以下のニューヨークシティマラソンが定める資格タイムを満たすことでもエントリーが保証された枠で走ることも可能です。

見てわかるように、資格タイムは実はBQよりも難しいことがわかります。

ボストンマラソンと違ってニューヨークシティマラソンには抽選枠があるので、速くない人はそっちからエントリーしてねーってことでしょうか。

ここで特徴的なのは、ニューヨークシティマラソンはハーフマラソンの公式記録も考慮してくれる点です。

一般的に、フルマラソンの資格タイムはどこかのマラソンを走って基準タイムを満たさなければなりませんが、ニューヨークシティマラソンはハーフマラソンの記録も使うことができるのです。

フルマラソンよりはハーフマラソンの方が速いんだけどなーっていう方はどこかのハーフマラソンを走ってニューヨークマラソン資格タイムを目指すのも良いでしょう。

3つ目の方法は旅行会社のツアー枠。

例えば旅行会社HISはニューヨークマラソンの“エントリー保証”ツアーを販売しています。ただし、お値段は36.5万円~40.5万円…。ランニングはお金がかかりますね。笑

4つ目のチャリティー枠も他の6大マラソン大会と同様にあります。

前述したように一般のチャリティ枠は最低3000ドルのファンドレイジングが必要です。

しかし、ニューヨーク・ロードランナーズ(NYRR)という非営利ランニング団体が運営する「TEAM FOR KIDS 」というコミュニティからファンドレイジングすると2,620ドル(42.195 km = 26.2 mileなので)でエントリー保証が可能です。

これらチャリティー枠で走るとレース中に支援した団体から応援してもらえるのでモチベーションも上がります。ファンドレイジングに自信があればこれらの枠から参加しても良いのではないでしょうか。

5つ目の方法として、“9+1 Program”という保証された枠での参加が可能です。

“9+1 Program”とはその名の通り、NYRRが認定するレースを9つ走り、かつ1つでボランティア活動するとニューヨークシティマラソンのエントリーが保証されるというシステムです。

やったことがないのですが、レースが主にニューヨークであるみたいなので、ニューヨーク在住でないと現実的に難しいのではないかと思われます。

いずれのエントリー枠も簡単ではありませんが、一度は走ってみたいレースです。

ニューヨークシティマラソンは合計5つの橋を渡ります。レースはStaten IslandところからスタートしてBrooklynに向かうのですが、最初からいきなりここを結ぶVerrazzano-Narrows Bridgeを走らなければなりません。これら橋の上り下りがとても大変でした。

ただ、沿道の応援も半端なく、常にモチベーションが上がった状態で走ることができました。

最後に

2017年9月のベルリンマラソンから2022年11月のニューヨークシティマラソン完走まで5年以上もかかりましたが、その分、本当に感無量です。

時間があれば、次回はアボット・ワールドマラソンメジャーズの特別枠を獲得する方法など、世界6大マラソンを走るための最新情報を記事にしようかと思います。(記事はこちら

それでは良い週末を!

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