ボストン賃貸の新常識:審査条件において知っておくべきこと!

生活

こんにちは、不動産エージェントをしているボスサラ妻です。

もう2023年も残り1か月近くなりましたね。来年に向けてボストンにくる準備をしている方が多いかもしれません。

さて、最近のボストンの賃貸状況はどうでしょうか?

実は、最近は海外からの移住者に対して賃貸物件の審査が厳しめになっているケースが多くなってきていると感じます。

そこで、今回はこれからアパートなどの賃貸契約を予定している人達に向けて、申込時の要求の変化をお伝えしたいと思います。

海外からの移住者に対するビザ提出

まずはビザ(査証)提出に関して。

2020年ごろコロナウイルス蔓延以前は、日本を含む海外からボストンに一時的に滞在する移住者に対してビザを要求していない大家や貸し手もある程度いました。

しかし、コロナウイルス蔓延とその後の米国政府のビザ制限の影響もあり、多くの大家や貸し手はビザを申し込み時に提出要求するようになっています。

大家や貸し手にしてみると、契約完了後の段階になってから借り手がビザを取得できずに渡米できなくなる、契約していた物件に借り手が住めなくなるというのは大きな損失につながるリスクがあります。

もちろん契約が完了している以上(ビザが取得できず渡米できないという場合でさえ)借り手は原則満期まで家賃支払い義務を負うのですが、借り手が海外にいる以上家賃の回収は非常に困難になります。

そのような事態を避けるために申し込みの段階でビザを取得していることを審査の前提条件としておきたいのです。

一方で、ビザを申し込みの段階で要求されることは、借り手側にとっては不利になってしまうこともあります。

以前の記事(ボストンの部屋探しの前に知っておきたい3つのこと【ボスサラ妻が解説】)で説明している通り、ボストン近郊の賃貸はとにかく競争倍率が高く、ビザ取得のタイミングにより希望の家を逃すことがあります。

「この家に絶対に住みたい」というような家があっても、ビザがなければ申し込みが受け付けてもらえないということがあり得るのです。

また会社や所属先の都合によりビザの取得が渡米前ギリギリになるという方もよくいますが、渡米直前にビザを取得してからの申し込みとなるとすぐ新居で生活するということは難しく、ホテルへの滞在期間が長くなり、費用がかさんでしまうということもあります。

ビザの要求がある大家や貸し手がほとんどではあるのですが、仲介業者に相談すれば申し込み時にビザの要求がない物件を紹介してくれるということもありますので、ビザ取得が渡米ギリギリとなる時には伝えておきましょう。

ソーシャルセキュリティー番号のない場合の保証人設定

特にこの2〜3年で劇的に増えている審査条件がソーシャルセキュリティー番号(SSN)のない場合の保証人設定です。

SSNは日本のマイナンバーのようなもので、米国で就労する場合には外国人であっても発行されます。

そして大家や貸し手側はこのSSNから借り手側のこれまでに構築されている財務能力の指標となる信用(=クレジットスコア)を確認することができます。

クレジットスコアについては、おそらく私よりもうまく丁寧に説明してくれる人がたくさんいると思うので、ぜひ「クレジットスコアとは」等の方法でググってみてください。ざっくりいうと、クレジットスコアは生活の中で蓄積される経済的な信頼度を示すポイントで、クレジットカードや公共サービス、家賃など納期に支払いを続けていればスコアが上がっていくというようなものです。

通常マサチューセッツ州の賃貸物件への申し込み時にはSSNの提出要求があり、大家や貸し手は借り手候補者のクレジットスコアを確認することで一定のリスク評価を行います。

しかし、初めて米国に居住する借り手はSSNを持っていないケースがほとんどです。このような場合、大家や貸し手はどうやって借り手候補者のリスク評価を行うのでしょうか?

SSNを持っていない場合、まずは所属先からの給与証明や銀行残高証明等で基準額を満たすことが条件となります。

一般的には、家賃の36倍の年収、あるいはその不足分が銀行残高で証明できることが必要になります。

アメリカの賃貸情報サイトZumperによると、現在のボストンで1ベッドルームを借りると月々の家賃は中央値で約3000ドルなので、仮に月々の家賃が3000ドルのアパートを賃貸する場合であれば108000ドルの年収か銀行残高が必要となります(今のドル円換算で約1500万円程度)。

さらに最近の傾向として注意する点は、給与証明や銀行残高証明で基準額を満たすことに加えて、保証人を設定することを審査条件にしている大家・貸し手が増え始めていることです。

ボストンで既に家族や信頼できる人がいればその人に保証人になってもらえるかもしれません。ただ、これから所属する職場および学校の関係者に保証人になることを依頼するというのは現実的には難しいケースも多いでしょう。

そこで登場するのが、保証人としての機能を請け負ってくれる会社になります。

The Gurantorsというのがその代表的な会社で、家賃の何割かの手数料として払うことで、保証「人」となる人がいなくてもこの会社に賃貸物件への申し込みが通るように保証してもらえるのです。

家賃の何割かの手数料とは書きましたが、これまでの私のお客様の例からは50-100%の範囲で設定されることが多いように思います。また、これは保証会社への手数料となるので、大家・貸し手への契約金に割り当てられるようなものではなく、敷金のように返金されることもありません。

つまり、保証人要求のある大家・貸し手で契約を行うと、要求のない大家・貸し手よりも追加の費用が発生するリスクがあります。

不動産エージェントの立場から考えると、お客様に費用負担がかかることは避けたいのでなるべくそのような大家・貸し手の物件の紹介は避けたいところではあります。しかし、この保証人の要求は現在のトレンドとして増加傾向にあるように感じられます。

保証会社を利用することは初期費用が多めにかかることは不利ではありますが、実はその保証会社への手数料を払っても、家賃設定がたまたま低い物件であれば総費用としては経済的負担が少ないというようなこともあり得ます。

また、ある程度のクレジットスコア、それがない場合には保証人あるいは保証会社による保証という審査条件を同じ建物の居住者全員に要求している貸し手・大家もいます。このようにバックグラウンドチェックをしっかり行っているという建物であれば安心できると考えることもできるでしょう。

最後に

いかがでしたか?

ビザも保証も要求しないという大家・貸し手もいるので、申し込みの段階でビザがなく、さらに保証人を避けたい場合でも物件がないというわけではありません。

ただ、これから賃貸契約をしようと考えている人にとっては重要な注意点ですのでぜひ参考にしてください。

私のような不動産エージェントであればどの大家・貸し手だと、どういう申し込み条件となるか把握している場合もあります。

もし、不動産エージェントに物件の仲介を依頼する際には、ビザの手続き状況やSSNの取得歴等伝えておくことをお勧めします。

ボスサラ妻に賃貸仲介を依頼したいという場合には、こちらまでお気軽にお問い合わせください。

それでは良いサンクスギビングをお過ごしください。



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