会社がつぶれることになったので、先週LabCentralのIDやパーキングカードを返却してきました。
今まで約2年間通っていたのでもう行けなくなると考えるとさみしいですね。
そういえば他にも細かい事務的な手続きがいろいろありました。
その中でも無職になったときにやっておくべき大切な事務手続きは?
今回はそんな疑問にお答えします。
もしもあなたの会社がつぶれたときやあなたが会社を辞めたときの参考にしてください。
保険の手続き
マサチューセッツ州に住んでいる人は健康保険に入っていなければペナルティをうける場合があります。(州のサイトを参照)
保険は通常、職場のベネフィットの中に含まれていて月額の費用(プレミアム)を負担してくれる場合が多いです。例えば、私の会社であれば80%を負担してくれていて、残りの20%を私が負担するということになっています。
無職になれば無給になるだけでなく、保険も全額自分で払わないと行けません。今回無職になってCOBRA insurance coverageなるものを知りました。
COBRAとはContinuation of Health Coverage の略で以前の会社でエンロールしていた保険のプラン(メディカル、デンタル、ビジョン)をそのまま継続できるというものです。
このサイトによると、会社で働いていた最後の日から60日以内にエンロールするとそれだけで、最大18ヶ月まで延長できるそうです。
今まで使っていた保険が使えるので便利ではありますね。ただし、保険のプレミアムは100%自己負担になるのでけっこうな金額を結局支払うことになります。
もちろんCOBRAを使わないという選択肢も可能です。その場合は別の保険会社に問い合わせる必要があります。保険会社の中にはもう少し安いプレミアムで保険内容が似たようなプランを提供しているところもありますので、自分で探してみても良いかもしれません。
また、夫婦で共働きならパートナーの保険に入れてもらうというのも一つの選択肢になります。
私は「COBRAのエンロールは少し高いなー」と考えていて、他の保険会社を当たろうと考えていました。
しかし!
今回はCOVID-19のパンデミックで事情が少し違うようです。
今月、バイデン政権は1.9兆ドルのCovid relief billにサインをしました。この経済対策には皆さんもご存知の給付金1人1400ドルがあります。実はこの中には給付金1人1400ドル以外にも、職を失った人へのベネフィットやSmall businessや非営利団体への補助など様々なものが含まれています。(Wikipedia参考)
そしてその中の一つに政府によるCOBRAプレミアムに対する助成金も含まれているのです。自ら意思ではなく会社をやめざるを得なかった人に対して2021年4月1日から9月30日まではCOBRAプレミアムが100%カバーされるとのこと。(Eligibilityに関しては最終的には各々でご確認ください。もし助成金が得られなくても私は一切責任を取れません。)
私を含め今の時期に職を失った人には非常に助かる助成金となりそうですね。
リタイヤメントアカウントの移行
日本では年金問題が深刻ですね。アメリカでもソーシャルセキュリティーというものがあって、現役時代に稼いだ金額に比例して定年後に一定額を支給してもらえる仕組みがあります。
しかし、ソーシャルセキュリーティーだけでは生活が不十分だと考え、リタイアメントの資金を確定拠出年金401(k) や個人年金(Individual Retirement Account:IRA)に積立している人が多くいます。
- 401(k)アカウント:会社からもらうもので、2020年、2021年の上限は19,500ドルまで(50歳以上であればキャッチアップとして追加で6,500ドルまで可能)
- IRAアカウント:個人で作るもので、2020年、2021年の上限は6,000ドル(50歳以上であればキャッチアップとして追加で1,000ドルまで可能)
両方のアカウントとも税金優遇があり、一定の年齢(通常59.5歳)になると引き下ろすことができます。
(IRSのサイトを参考)
私も働いていた会社から401(k)のアカウントをもらっていたので積立で資産運用をしていました。この401(k)のお金は転職をしたり、会社がつぶれたりするとロールオーバーといって個人のIRAアカウントに移すことができます。
以前の会社の会計士に聞いてみると、実は会社の401(k)アカウントをキープし続けることは可能みたいですが手数料がかかるようです。(というか手数料より401(k)のアカウント何個も持つとややこしいので一つにまとめたい)
そこで、今回私はこの401(k)アカウントに入っているお金を自分のIRAアカウントに移動させることにしました。(厳密にはIRAアカウントにはTraditional IRAとRoth IRAがあるのですが今回はTraditional IRAに移動)
やり方はいたって簡単。
- 投資会社でTraditional IRAのアカウントを作る
- 会社の会計士からロールオーバー用のフォームをもらう
- フォームに自分の名前と投資会社の名前を記入して会計士に返却
- 後日、自分の401(k)に入っていたお金が小切手として届く(株や債券として持っていたものは全てキャッシュになる)
- 小切手を1で作ったアカウントにデポジットする
ただし、このロールオーバーをするにはルールがあって、会社に所属していた最終日から60日以内に行わなければいけません。
401(k)ではなくIRAにロールオーバーするメリットとしてはアカウントを一つにまとめられること以外に、金融商品の取り揃えが多いこともあげられます。通常、401(k)には非常に限られた商品しかありませんが、IRAにはより多くの金融商品を取り揃えている場合が多いです。マーケットに上場している会社の個別株から様々なインデックスファンドETFに投資することができるのでオススメです。
ちなみに、会社によってはhigh deductibleな保険に入っていればhealth savings account (HSA)という医療関連の費用に使える税金優遇アカウントがもらえます。HSAはロールオーバーということはせずにそのままアカウントを使えるみたいです。
最後に
2つとも地味な作業ですが、やっておかないとけっこう困ります。
今後もアメリカで生活するなら知っておくと良いと思いました。
ご参考までに!