前回の記事ではPre-Approval letteの作成や不動産エージェントを雇ってオープンハウスの予約をとるところまで解説しました。
今回は、20件以上の家を見てようやく希望の家を見つけた私たちがどのようにオファーをしたか、という点を説明します。
オファーまでに
ボストン郊外の家を見てすぐ、「これだ!」と夫婦ともに申し込みたいと思える家に出会えたのは年末の某日でした。普段そう簡単に夫婦で合意することはまずないので、こんな大きな買い物で合意できたことは奇跡でした(笑)
まず、第一に行ったことは売り手のエージェントMに連絡し、売り手が希望するクロージング日(実際に家を引き渡す日)の確認です。(売り手と買い手が直接やりとりするのではなく、基本的に不動産エージェント同士が連絡を取り合います。)
売り手エージェントMからは「売り手の次の家の購入が一か月先だからその日までにはこの家のクロージングを行わなければいけない」ということを伝えられ1ヶ月後のクロージングを示唆されました。
この一言で二つ考慮すべき点が明らかになりました。
- クロージング日は売り手の希望日である一か月後と同じ(あるいは近い)ほうがオファーは通りやすい。
- 売り手はすでに次の家の購入準備を進めている、ということは、売却手続きはできるだけ早く済ませたい。(=良いオファーがあればすぐに承認するはず)
また、売り手のエージェントMからは実はもう一つ重要な情報をもらっていました。それは、3日後にオープンハウスを行うということでした。実は私たちがこの家を見ることができたのはオープンハウスではなく、ボスサラ妻が買い手のエージェントとして売り手エージェントMと連絡をとり、事前に鍵をもらってプライベートツアーのような形で家を内覧できたからなのでした。
売り手側にオープンハウスを行われると、私たち以外の人がこの家に興味を持ってしまうかもしれず、ライバルが増える可能性が高くなります。
「オープンハウスを行ってしまうと絶対に取られてしまう!」と考えていた私たちは、「早くオファーを出して早く承認してもい、オープンハウスを中止してもらおう!」ということになりました。
ちなみに、私たちの希望エリアの希望タイプの家に限って過去の傾向をみると、市場が活発になる季節はリスティング価格に対してセールス価格が高めでした。つまり、時期を逃すと売り手の希望額よりも高めにオファーを出さなないと競争に勝てない可能性がありました。ボストン近郊は賃貸のサイクルが春~夏の1年間が基本なので、家の購入もそこに合わせて活発になります。
オファーで準備したもの
1.プレアプルーバルレター(前回の記事参照)
2.オファーシート
買い手のエージェントが作成します。購入価格、頭金額、P&S(売買合意書)の日付、クロージング日付等売買に関わる様々な情報を記載します。
注意点としては、、、
- このオファーは「X月X日X時まで有効です」という記載を行います。この有効期限は、ボストン近郊では概ねオファーを出してから24時間~48時間で設定されることが多いです。この有効期限内に売り手からオファーが承認されなければ無効ということになります。
- 家に残されるべきものが何かという記載は明確にしましょう。買い手が残ると思い込んでいたものが、後から残らないとわかり問題になるということはよくあります。例えば洗濯機や冷蔵庫などの家電が残るかどうか確認しましょう。
3.コンティンジェンシーアデンダム
こちらも買い手のエージェントが作成します。オファーが通ったとしてもすぐに家を買えるというわけではありません。ホームインスペクションで問題があったら?モーゲージがおりなかったら?等購入手続きまでに問題があった場合にオファーを取りやめることを可能にしてくれる補足書類です。
4.デポジット$1000の準備
オファーを入れる際に$1000のデポジットを支払うことになります。現実的にはオファーが承認されるまで待ってくれる売り手エージェントもいますが、小切手に宛先等を書きスキャンしたデータをオファーと一緒に提出しておくことをお勧めします。このデポジットは売り手にすぐに渡されるわけではありません。エスクローアカウントという売買完了までの一時的な保管場所に維持されます。
5.自己紹介レター
これは完全にオプショナルですが、私たちは周囲の友人の話を聞いて、自己紹介の手紙を書き、さらに「なぜこの家がほしいのか」という熱意を伝えたほうがオファーが通りやすいと考えていました。もちろん、オファー金額やクロージング日ほど強い条件にはなりませんが、売り手がレター見た時に「この人たちに売ったらいいことありそうだな」というくらいの印象をもってもらえるようなものを用意しておくと、同じようなオファーが他にもあった場合には少しでも優位になるかもしれません。
上記のように書類を準備し、すべて売り手のエージェントにEメールで提出したのは、家を見てから半日後のことでした。
私たちはオファーの有効期限を1日半(36時間)程度設けたのですが、オファーを出した当日中にはエージェントMから「オファーを受け入れるため準備している」との簡単な返事がありました。
とはいえ、正式な書類が来るまではなにがあるかわかりません。信用せずに待っていると、なんと有効期限ギリギリのタイミングでオファーに売り手の署名がされて返送されました。無事オファーが通ったのです!
オファーを出した段階では、通るかどうかは半信半疑でしたが、売り手が購入手続きのために急いでいるという推測はついていたので、早くオファーを出し十分な条件を提示するというプロセスが功を奏したのかなーとは思っています。
最後に
というわけで、オファーを承認されるまではそこまで難しくはなかった私たちですが、この後様々なストレスを経験することになるのでした。家購入の正念場はここからだったのです…!
つづく…