創薬スタートアップで働き始めたときの8つのタスク

キャリア

こんにちは、ボストンの創薬スタートアップでコンサルタントとして働いているボスサラです。

前回の記事(人生2社目の創薬スタートアップで働き始めました)を書いてから、1週間がたちました。(実際に働き始めたのはもう少し早くからで約2週間働いている)

創薬スタートアップで働き始めたときってどんなことやるの?

今日はそんな疑問にお答えします。

何をやっているかの詳細は書けないので概要のみになりますが、創薬スタートアップを立ち上げる際のフレームワークとしても役立つ情報かと思います。

これから創薬スタートアップで働き始める人の参考になれば幸いです。

ストラテジーのディスカッション

まずはストラテジーを決めて短期的、長期的に何をやっていくかのディスカッションをチーム全員で行います。まずはしなければならないことの全体像を把握し、誰が、何を、いつ、どのような順番でこなしていくかを話し合います。

プラットフォームの戦略

今の会社は低分子プラットフォームの会社です。基盤となる技術でどのような化合物ライブラリーを、どれくらい、いつまでに作るのか、などの戦略を考えないといけません。これは私の担当外。

創薬ターゲットの選定

創薬ターゲットの探索は創薬研究の最初に行うものです。ヒトの病気との関連、分子の生物学的性質、立体構造情報、パスウェイ情報、既存の阻害剤、他社との競合、などに注目して、かつ会社のメンバー及び投資家が興味を持っている領域でターゲットを絞っていきます。

疾患や分野によってはチームだけでは十分な情報をカバーできないので、KOL(Key opinion leader)と協力して良いターゲットを探します。このターゲット選定は会社の命運を分ける非常に重要なステップなので、様々な人と話してじっくりと時間をかけて行っています。

これが私のメインの仕事になっています。ついでに余裕があればどのようなアッセイ系を使ってそのターゲットの阻害剤を得るのかを考えます。

オフィスと実験施設の場所を決める

オフィスはベンチャーキャピタル(VC)の社内にあるので、しばらくはそちらか、もしくは家から仕事してオーケー。しかし、近いうちに実験をしなければならなくなるので、LabCentralのようなオフィスと実験室を兼ね備えた場所を借りられるのが理想的です。

ケンブリッジ周辺にはいくつか候補場所があるので、それらを列挙して、費用、立地、設備、サポートなどのProsとConsを考えます。場所決めに関して私は担当外。知り合いなどに聞いて、どこが空いているかなどを調査しているのかもしれません。

私を含めた研究者は実験施設のセットアップにどのようなものが必要になるかをあらかじめリストアップします。

ファウンダー、KOLとのディスカッション

私が働いている創薬スタートアップは現在アカデミアの研究者がファウンダーとなっており、基盤となる技術も彼らが非常に詳しいです。彼らからのデータや情報を会社のメンバー全員で定期的にディスカッションし、協力して会社を運営していきます。

また、3つ目でも書いたように専門分野のKOLとディスカッションして創薬ターゲットをさらに絞り込みます。必要であればストラテジーやプラットフォームに関しても様々な分野のKOLと話をします。以前の記事(私がボストンのバイオベンチャーで働いて気づいた3つのこと)でも書きましたが、KOLからの情報は非常に有益なので参加するミーティングにはかなり気合を入れています。

キーとなる人材の確保

会社のキーとなる優秀な人材を確保しなければなりません。ボストンのバイオテック業界で優秀な人はネットワークで繋がっていますので、おそらくマネージメントチームやVCが良い人物を知っていると思われます。私は担当外。

競合他社の調査

私たちの会社と似たようなプラットフォームを持つ会社はないか、同じターゲットの阻害薬を開発していないか、などを調査します。先行している会社があれば、それらの会社と比較して、私たちの会社のどの点がアドバンテージとなるかが重要になってきますね。

事務・IT関連

まだ会社ができて間もないので、事務的なこともしなければいけません。クラウドサービス、コミュニケーションツール、論文管理ツール、など仕事を効率化できるようにセットアップ。チームで分担です。

最後に

まだ始まって2週間ですがやることがたくさんあります。肩書きはコンサルタントとなっていますが実際にはなんでも屋です(笑)。

そういえば以前の会社がつぶれてから実験をしばらくしていません…。早く実験スペースが決まって現場に戻りたいです。

ということで、今日はここまで。

それでは良い週末を!

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